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自分の政治的立場の位置付け(30歳未満)

資料:ISSP 2014

ISSP(国際社会調査プログラム)の2014年調査には、自分の政治的立場を0(=左翼)から10(=右翼)の尺度で評価する質問があります。この質問に対する日本とスウェーデンの若者(日本は16歳~29歳、スウェーデンは17歳~29歳)の回答を比べると、両者の傾向が非常に異なることがわかります。

すなわち、スウェーデンの若者の回答は全体にばらつきがあるのに対して、日本の若者の回答は「5」に集中しています。実に半数以上の若者が「5」を選んでいるのです。

その理由について断定することはできませんが、これは「日本人が中庸を好む」という日本人論的な説明よりも、「多くの人は右と左の意味が分かっていないので、とりあえず真ん中あたりを選ぶ」という説明の方が妥当であるように思います。

実際、現在の日本政治において、何が右・左の立場を決めるのかを学校で正面から教わる機会は、あまりないと思います。もちろんこれは教育だけの問題ではなく、政治的立場を曖昧にしている(もしくはそもそも立場を持っていない)政党や政治家が巷にあふれていることの証左でもあります。

むろん、この複雑な世の中を「右-左」という1つの軸で表すことに無理があるという批判は理解できます。しかしそういうことを一切わかっていなければ、知名度や上っ面のパフォーマンスで政党や政治家を選ぶか、何もわからず無関心になり、他人に決定を委ねてしまうことでしょう。ですから、最低限の政治的リテラシー(政治状況を読み解く力)は、きちんと教育すべきことであると思います。



資料:Transparency International

ドイツに本部を置くNGOのトランスペアレンシー・インターナショナルが2016年版の「汚職(正確にいえば汚職がない)番付」を発表しました。それによると、トップはデンマークとニュージーランドで、スウェーデンは第4位。上位国を見るとフィンランドが第3位、ノルウェーが第6位ということで、北欧諸国は「清廉な国」という評価も受けていることがわかります。

もちろんスウェーデンでも汚職がないわけではありません。人々の記憶に残っている例としては、1995年に、当時社会民主党のホープで、スウェーデンで初の女性首相になると目されていたモナ・サリーン副首相が、公費のカードで50,000クローナ(約65万円)ほどを使い込んだ「トブラローネ(不正な買い物の中に含まれていたチョコバーの名前)事件」で、一時政界を追われたのが有名です。

ただしこの事件は、日本では「その程度のことで政界を追われちゃうんだ…」と、むしろスウェーデンの清廉さを示すエピソードとして語られることが多いようです(それもどうか、とは思いますが…)。



資料:UNHCR

ヨーロッパはかねてより難民問題に頭を悩ませていましたが、2015年にはそれがピークに達し、政治的・社会的に大きな混乱を引き起こしました。

この年、EU加盟国の中で難民の受け入れ人数が最も多かったのはドイツですが、実は人口比でみるとスウェーデンの受け入れ数は人口1万人あたり147人で、ドイツ(同31人)の5倍近くでした。

人口1万人あたり147人ということは、人口が1億2,700万人の日本でいえば、約190万人ということになりますから、そのインパクトは計り知れません。その結果として、移民受け入れ反対を掲げるスウェーデン民主党が支持を広げ、政府も一定の受け入れ制限に踏み切ったというのも事実です。しかしそれでもこの問題から目をそむけることなく、真摯に向き合う姿は立派だと思います。

今回の難民問題が中東・北アフリカ地域の紛争に根差すものであることを考えれば、地理的にも文化的にも縁遠い日本で受け入れが少ないことを、ドイツやスウェーデンと比べて非難するのは酷だと思います。しかし将来、もしも近隣地域で大量の難民が発生して、日本が大きな選択を迫られることがあるかもしれません。その時に、何ができるのか、どうやって問題を乗り越えるのかというヒントを、今のスウェーデンから得ることができるのではないでしょうか。



注:二院制の場合は下院、OECD諸国のみ。
資料:OECD

2016年の日本は、都知事に小池百合子氏が就任し、民進党の党首に蓮舫氏が就任するなど、女性の活躍が目立ちましたが、衆議院議員に占める女性の割合は9.5%と、OECD加盟国内で最低です。

かたやスウェーデンの国会における女性議員の割合は43.6%とOECD加盟国で最も高く、他の北欧諸国も上位を占めています。

その理由の1つは、政党が採用しているクオータ制です。スウェーデンの選挙は比例代表制なので、各党が候補者名簿を作成するわけですが、そこで男女を交互に配置することで、当選者に占める男女の割合がほぼ同数になるようにしているのです。

この制度は国が法律で定めたものではありません。しかし、スウェーデンでは多くの政党が「わが党は男女平等である」ということをアピールするために、自主的に採用しています。つまり、多くの国民がそのような取り組みを評価しているということです。



資料:Education First

スウェーデンへの留学や渡航を検討していて、「スウェーデン語が話せないけれど、大丈夫だろうか?」と不安に思う方がいると思います。でも、大多数のスウェーデン人は英語が普通に話せるので大丈夫です。

語学・留学関連サービスを世界的に展開しているEducation Firstが毎年発表している英語能力指数でも、スウェーデンは世界3位と、英語の能力は非常に高いのです。これはもちろん、スウェーデン語と日本語が言語的に似ているということもありますが、小さな国が国際社会でやっていく上で英語が必須であるという認識を広く共有し、英語教育に力を入れていること、また小さな国であるがゆえに、アメリカの映画が(日本のように)吹き替えではなく、字幕でしか対応しておらず、自然と英語に触れる機会が多いことも忘れてはいけません。どの国にも英語を話す人はある程度はいますが、スウェーデンでは社会的地位や教育水準がそれほど高くない人でも英語が話せるのが特徴的です。

もちろん、スウェーデン語ができた方が生活する上で便利ですし、スウェーデン人と打ち解けやすいのも事実です。ただ、なまじ英語が上手であるために、ちょっとたどたどしいスウェーデン語を話すと、すぐに英語に切り替えられてしまうので、スウェーデンにいてもスウェーデン語がなかなか上達しないかもしれません。逆に、真剣なビジネストークをしたい場合には、自分がスウェーデン語を話せてもあえて使わず、英語で話した方が、変になめられずに済む、という話を、スウェーデン在住のアメリカ人から聞いたことがあります。