資料:Reporters Without Borders

「国境なき記者団」という団体が毎年発表している「報道の自由度」ランキングにおいても、北欧諸国は上位の常連です。今年のスウェーデンは8位で、他の北欧諸国と比べるとやや見劣りしてしまいますが、世界的に見て報道の自由度がかなり高いことは疑いありません。

日本と異なり、スウェーデンの憲法は1つにまとめられているわけではなく、4つの基本法から成り立っていますが、そのうち2つ(「出版の自由に関する法律」、「表現の自由に関する法律」)は報道の自由に関わるものです。もちろん日本でも表現の自由は憲法に定められていますが、このように他の規定から独立した形で法律が設けられていることは、スウェーデンにおける報道の自由を考える上で重要な意味を持っているように思われます。

 



注:OECD諸国のみの順位
資料:The World Economic Outlook, October 2016 edition.

スウェーデンは高福祉の国です。そして一般に「高福祉=高負担」、つまり高いレベルの福祉を実現するには財政支出が必要で、国民の税負担は重くなります。

1995年時点におけるスウェーデンの政府支出の対GDP比は63%で、OECD諸国の中で最も負担の重い国でした。しかしその水準は、この20年間で大きく下がりました。確かにスウェーデンの政府支出は、今でも対GDP比で49%と、日本(39%)と比べればずっと大きいですが、他の北欧諸国のみならず、フランスやベルギー、オーストリアといったヨーロッパの他の国々を今や下回っています。

日本では、かつてのイメージがいまだに強いですが、今のスウェーデンは、実はかなりスリム化が進んでいるのです。



資料:Environmental Performance Index

アメリカのイェール大学やコロンビア大学などの研究機関が、「健康への影響」「大気の質」「水質・衛生」「水資源」「農業」「森林」「漁業」「生物多様性と生息環境」「気候とエネルギー」の9つの分野で世界各国を評価し、それを総合したものを環境パフォーマンス指数として公表しています。それによると、北欧諸国が上位を独占し、スウェーデンは3位となっています。

部門別にみてスウェーデンが特に優れているとされるのは、「健康への影響」と「農業」です。「健康への影響」は、人々の健康が、様々な汚染物質からどの程度守られているかを、「農業」は、窒素肥料をどの程度効率的に利用しているかを、それぞれ表しています。

なお、研究チームは各国の現在の指数だけでなく、それが10年前と比べてどの程度向上したかについても示しています。それによるとスウェーデンは1.81%の向上率でした。これに対して日本の向上率は0.20%。多少向上してはいるものの、スウェーデンとの差はさらに広がっていることがわかります。



注:OECD諸国のみの順位
資料:International Institute for Democracy and Electoral Assistance

優れたビジネス環境を提供し、高福祉を維持しながら高負担を抑制し、男女平等を促進し、着実な経済成長を実現する。このような理想的な国家運営を実現している基盤となっているのが、選挙における高い投票率です。

上のグラフは、OECD諸国において直近に実施された国会議員選挙の投票率の上位国と日本です。2014年に選挙が実施されたスウェーデンは85.8%で第5位です。北欧以外の上位の国々(オーストラリア、ルクセンブルグ、ベルギー、トルコ)では強制投票制度が採用されているので、自発的な投票における投票率という意味では、北欧諸国の投票率が国際的にみて非常に高いことがわかります。



資料:OECD, OECD Data

スウェーデンが「女性が働く国」であることは、よく知られています。たとえば多くの人が学校を卒業し、パートナーを見つけて自分の家庭を持ち始める20代半ばから、定年を迎える60代半ばの女性の中で、実際に働いている、もしくは働きたくて仕事を探している人の割合(労働力参加率)を見ると、スウェーデンは85.4%と、他の北欧諸国と並んで非常に高いことがわかります。(日本も71.1%と、意外に高いと思う人がいるかもしれませんが、ここにはパートタイムの雇用者が多く含まれています。その話はまた別の機会に。)

スウェーデンでは、結婚しても子どもが生まれても、働ける人は働くものとされています。その理由は単純で、パートナーが2人とも働かなければ、生活が成り立たないからです。国としても、高い教育を受けた優秀な労働力が、女性であるというだけの理由で家事労働しか行わないというのは、大きな損失です。その部分のロスが少ない(ただし全くないわけではありません)のが、スウェーデンの好調な経済を支えている理由の1つです。

もちろん、消費者としての国民は男女ほぼ半数ですから、商品開発その他の事業活動の意思決定が男性目線でのみ行われるというのは、そもそもおかしな話です。もちろん日本にもそのことに気がついて女性社員をうまく活用している企業が最近増えてきました。とはいえ、「わが社は女性の働く環境が整っている」と胸を張れる経営者は、この国にいったいどれだけいるのでしょうか。