2010年代半ばに中東・北アフリカ、特にシリアからの難民が大量にトルコとヨーロッパに流入しました。それは大変な社会的混乱を引き起こしましたが、それでもスウェーデンは他のヨーロッパ諸国に比べると極めて積極的に難民の受け入れに努力してきました。
注:OECD加盟37カ国中
出所:World Development Indicators
人口1万人あたり247人ということは、人口が1億2,600万人の日本でいえば、約311万人になる規模ですから、そのインパクトは計り知れません。その結果として、移民受け入れ反対を掲げるスウェーデン民主党が支持を広げ、政府も一定の受け入れ制限に踏み切ったというのも事実です。しかしそれでもこの問題から目をそむけることなく、真摯に向き合う姿は立派だと思います。
今回の難民問題が中東・北アフリカ地域の紛争に根差すものであることを考えれば、地理的にも文化的にも縁遠い日本で受け入れが少ないことを、ドイツやスウェーデンと比べて非難するのは違うと思います。しかし将来、もしも近隣地域で大量の難民が発生して、日本が大きな選択を迫られることがあるかもしれません。その時に、どのような問題が起こりうるのか、そしてそれらの問題をどうやって乗り越えるのかといった様々な教訓を、スウェーデンの経験から得ることができるのではないかと思います。
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