北部の町シェレフテオ(Skellefteå)はサーラ文化センター(Sara Cultural Centre)という普通でない新しい建物を建設しようとしている。この建物は完全に木で作られ、80メートルにも及ぶ世界で最も高い木造建築の1つになる。サーラ(Sara)という名前は有名なスウェーデンの作家であるサーラ・リドマン(Sara Lidma)から発想を得たもので、同センターは2021年秋の開業を予定している。
スウェーデン政府は、スウェーデン男女平等庁(Swedish Gender Equality Agency)に対して、政府機関が全ての業務にジェンダーの視点を統合する作業を行うに当たっての支援を命じた。この取り組みは、政府機関におけるジェンダー主流化(Gender Mainstreaming in Government Agencies、GMGA)と呼ばれ、各機関の業務の全ての側面において男女平等を統合することを目標としている。
オールブライト財団(Allbright foundation)の「技術屋が自らの神話にハマる(Tech Dudes Caught in Their Own Myth)」という報告書(2020年5月)は、スウェーデンの技術系起業家における男女不平等を批判している。
職場における平等
スウェーデンは女性と男性が職場で確実に平等に扱われるようになるまで、長い道のりを歩んできた。1980年以降、職場での男女差別は違法とされてきた。2009年より、「スウェーデン差別法(The Swedish Discrimination Act)」は雇用者が積極的に男女間の平等性を促進するだけでなく、ハラスメントに対する措置を取ることを求めている。2017年の法律の拡大に伴って、この予防措置には、雇用者の性別、トランスジェンダーのアイデンティティや表現、民族、宗教や他の信条、障がい、性的指向、年齢といった、差別を引き起こすあらゆる要因に関連する嫌がらせを含むようになった。
スウェーデンは2006年から5位を下回ったことがない。ジェンダーギャップ報告書によると、世界の労働市場はジェンダー平等には程遠い。世界的に見て、15歳から64歳の男性のうち約78%が労働力として働いているが、女性ではわずか55%である。2020年版の報告書(世界経済フォーラム、2019年12月)のタイトルは「100年のギャップに注意せよ(Mind the 100 Year Gap)」という身を引き締めさせるものであった。
スウェーデン女性ロビー(The Swedish Women’s Lobby、Sveriges Kvinnolobby)は、性別に関わらず全員が平等な給与を得られるように保証する、などの目標を掲げている。2012年には、女性が基本的にフルタイム分の給料を得ていないという表現で差別を明らかにする「全日分の給料を払え(pay all day)運動」を始めた。この運動には女性政治連合、労働組合、女性運動協会が協力している。
ノーベル賞の受賞者は毎年10月の初めに発表される。そして12月10日の「ノーベル・デー」に、スウェーデンの首都ストックホルムとノルウェーの首都オスロで受賞式典が開催される。
これまで受賞した発見には、X線や放射線、ペニシリンなどがある。平和賞の受賞者には、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)やダライ・ラマ14世(14th Dalai Lama)がいる。文学賞の受賞者は、ガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel García Márquez)の「百年の孤独(One Hundred Years of Solitude)」やドリス・レッシング(Doris Lessing)の「草は歌っている(The Grass is Singing)」といった作品があり、読者をワクワクさせている。
ノーベル賞を授与する機関は4つある。
① スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)
物理学賞、化学賞、経済学賞を授与。
②スウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)
文学賞を授与。
③カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)ノーベル委員会
医学・生理学賞を授与。
④ノルウェーノーベル委員会
平和賞を授与。唯一ノルウェーにある機関で、ノルウェー議会によって任命された5人の議員で構成されている。
1914年〜1918年
第一次世界大戦により授与数が減少した。この間の唯一の平和賞は、負傷した兵士や捕虜、その家族を治療したとして赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)が1917年に受賞した。赤十字国際委員会は、1944年、1963年にも平和賞を受賞している。1963年は赤十字社連盟(League of Red Cross Societies)との共同受賞であった。
循環経済とは、完全に再利用できる製品を利用する、つまり「ゆりかごからゆりかごまで」というアプローチである。2018年にスウェーデン政府は循環経済を政府の政策の柱の1つとすべく、循環経済のための代表委員会(Delegationen för cirkulär ekonomi)という特別諮問委員会を設置した。