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今回は、スウェーデン国立美術工芸デザイン大学への留学のご経験があり、スウェーデン輸入住宅のモデルハウスデザインをはじめ、建築空間のテキスタイルアートやインテリアデザインに長年携わっていらっしゃる、フォルムSKR スカンディックハウス 代表の川上玲子さんにご講演いただきます。

川上さんは、昨年、谷中にスウェーデンの暮らしのデザインを紹介するショップ「SWEDEN GRACE」をオープンされ、また本年には北欧建築・デザイン協会会長にご就任されるなど、ますます精力的な活動を続けていらっしゃいます。

今回のご講演では、デザインのプロ向けというよりは一般の方を対象として、スウェーデンのライフスタイルと、そこで育まれたデザインの魅力についてお話しいただきます。

多くの方のご参加をお待ちしております。

● 講師 川上玲子 フォルムSKR スカンディックハウス 代表、北欧建築・デザイン協会会長
● 日時 2017年12月7日(木) 午後6時~8時(5時半開場)
● 場所 スウェーデン大使館1階ノーベルオーディトリウム
● 参加料 研究所会員は無料 一般 1,500円、学生 1,000円(当日受付にて)

【今後の研究講座(予定)】
第202回 2018年1月17日(水) 明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
第203回 2018年2月20日(火) Chia Jonsson カール・ラーション・ゴーデン館長、Caroline Edman 同学芸員 (通訳 宮田宣子 カーリン&カールラーション友の会会長/一般社団法人スウェーデン社会研究所理事)

自分の政治的立場の位置付け(30歳未満)

資料:ISSP 2014

ISSP(国際社会調査プログラム)の2014年調査には、自分の政治的立場を0(=左翼)から10(=右翼)の尺度で評価する質問があります。この質問に対する日本とスウェーデンの若者(日本は16歳~29歳、スウェーデンは17歳~29歳)の回答を比べると、両者の傾向が非常に異なることがわかります。

すなわち、スウェーデンの若者の回答は全体にばらつきがあるのに対して、日本の若者の回答は「5」に集中しています。実に半数以上の若者が「5」を選んでいるのです。

その理由について断定することはできませんが、これは「日本人が中庸を好む」という日本人論的な説明よりも、「多くの人は右と左の意味が分かっていないので、とりあえず真ん中あたりを選ぶ」という説明の方が妥当であるように思います。

実際、現在の日本政治において、何が右・左の立場を決めるのかを学校で正面から教わる機会は、あまりないと思います。もちろんこれは教育だけの問題ではなく、政治的立場を曖昧にしている(もしくはそもそも立場を持っていない)政党や政治家が巷にあふれていることの証左でもあります。

むろん、この複雑な世の中を「右-左」という1つの軸で表すことに無理があるという批判は理解できます。しかしそういうことを一切わかっていなければ、知名度や上っ面のパフォーマンスで政党や政治家を選ぶか、何もわからず無関心になり、他人に決定を委ねてしまうことでしょう。ですから、最低限の政治的リテラシー(政治状況を読み解く力)は、きちんと教育すべきことであると思います。

須永洋子会員から、翻訳家の菱木晃子さんによる「大人が味わうスウェーデン児童文学」というNHKラジオ放送のご案内をいただきました。

放送時間は、ラジオ第2 毎週木曜 午後8時30分、再放送は、同 毎週木曜 午前10時からです。すでに10月5日より始まっていますが、過去の放送も下記のリンクから聞くことができます。

http://www4.nhk.or.jp/P1929/29/

 

このたび、須永昌博前所長の2冊目の遺作となる『みんなの危機管理 スウェーデン10万年の核のごみ処分計画』が発刊されました。
須永さんが他界されてからやがて2年となりますが、本を読んでいると、あのダンディな声が頭によみがえるような思いがいたします。

特に「スウェーデンの人たちは、『絶対安全』ということは信じません。…人間のやること、人間の行為に過ちは付き物である。付き物だからいつか事故は起こる、いつか災害は起こる、いつか危機的な状況は起こるということをまずそれを前提にしています。」(13ページ)というメッセージは、須永さんが私たちに遺した、かけがえのない教訓の1つです。

アマゾンの購入ページはこちらです。
出版社:㈱海象社
定価:1500円+税

今回は、スウェーデンの教育について、お二人の先生からお話をいただきます。

1.スウェーデンの就学前教育-アウトドア教育を中心に(西浦和樹 宮城学院女子大学教授)
スウェーデンの学校教育は、1歳から5歳までの就学前教育(プリスクール)、6歳のプリスクールクラス、7-16歳の小・中学校(1年生から9年生)、16-19歳の高等学校、大学、大学院教育が行われています。公立と私立の給与面で差がなく、保育士不足も手伝って保育教諭の初任給は高水準(例えば、モタラ市で月給30万円から)となっています。
子育て環境は、子どもの権利が保障されるように手厚くなっています。教育費は無料、父親も母親も育児休暇が義務付けられている両親休暇は480日(その間、給与の80%保障、よって0歳児は家庭で育児)、医療費は18歳以下が無料となっており、子育てに関して経済的負担がかからない仕組みとなっています。
スウェーデンの幼児教育は、2016年度4月から実施された新しい子育て支援制度(幼保一体化、施設給付金など)と同様の仕組みが1998年に既に整備されていたことから、日本からみてスウェーデンは子育て先進国と考えてよいでしょう。
教育内容については、「アウトドア教育」のような特色ある教育、例えば、幼児期の科学教育(STEM教育:Science, Technology, Engineering, Mathematics)が実践されています。
本時では、2017年2月の宮城学院女子大学の海外研修の視察報告(プリスクール、ファミリーセンター、科学館、自然学校など社会制度設計の考え方)、2017年3月の宮城県訪瑞団の視察報告(グリーンツーリズム)、さらに2017年8月下旬から3週間のプレスクール実習を終えた学生からの報告を交えて、日瑞交流の今後に向けた話題提供を行います。

【参考文献】
シェパンスキー,Aら(著) 西浦和樹・足立智昭(共訳)『北欧スウェーデン発 森の教室-生きる知恵と喜びを生み出すアウトドア教育』 北大路書房(2016年)

2.スウェーデンの起業家精神教育(川崎一彦 東海大学名誉教授、ストックホルム在住)
北欧の就学前、初等教育における起業家精神教育とは、単にビジネスをスタートさせること(外的起業家精神教育)ではなく、 起業家的特徴または外的起業家精神の前提条件(内的起業家精神教育)で、具体的には、創造性、自己効力感(self-efficacy)、行動、勇気、協調性とネットワーク能力、ものごとを達成するモチベーション、常に学び続ける態度、空想性、豊かな発想、我慢強さなどを意味します。
内的起業家精神は、起業するしないに拘わらず、21世紀の社会では、たとえ大企業に勤めても、公務員でも、全国民に必要な資質と位置付けられてきました。
今回は、スウェーデンの就学前、初等教育における内的起業家精神教育について、とくに高い評価を受けているスウェーデン南部ヘルシングボリ市のプレスクールをケースとして取り上げます。
9月に静岡県私立幼稚園振興協会(千葉一道理事長)から派遣された田村都弥先生(追分幼稚園園長)及び大石竜士先生(静岡聖光幼稚園副園長)の新鮮な感想もお伺いします。

多くの方のご参加をお待ちしております。

● 講師 西浦和樹 宮城学院女子大学教授、川崎一彦 東海大学名誉教授
● 日時 2017年10月26日(木) 午後7時~9時(6時半開場) ※通常より遅い19時開始となります。
● 場所 スウェーデン大使館1階ノーベルオーディトリウム
● 参加料 研究所会員は無料 一般 1,500円、学生 1,000円(当日受付にて)

【今後の研究講座(予定)】
第201回 2017年12月7日(木) 川上玲子 インテリアデザイナー
第202回 2018年1月17日(水) 明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
第203回 2018年2月20日(火) Chia Jonsson カール・ラーション・ゴーデン館長、Caroline Edman 同学芸員 (通訳 宮田宣子 カーリン&カールラーション友の会会長/一般社団法人スウェーデン社会研究所理事)