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【Sweden.se日本語版】ファッションを持続可能にする


Photo: Tina Stafrén/imagebank.sweden.se

 衣料は長持ちし、その後リサイクルやリユースできるようにデザインすることで、ファッションは循環型の生産に向かう必要がある。スウェーデンのファッション産業はそのための研究に多くを投資し、より持続可能な方法の追求に努力している。

先駆的な企業

 スウェーデンのファッションは、一方通行型の産業を循環型に変えることを目指している。資材は使用後処分するのではなく、リサイクルや他の方法で使用する。そうすれば廃棄物の量を最低限に維持することができる。

 “ファッション”という用語を構成する要素を根本的に見直して再定義し、それに基づいた新しいビジネスモデルが現在模索されている。Klädoteketはそのようなビジネスモデルの1つである。これは「ファッションライブラリー」として、デザイナーブランドの衣料を借りることができるというものである。

ファッションライブラリー スウェーデンの物語

長期的な視野

 伝統的に、ファッションは変化や絶え間なく新しいデザインへの欲求によって定義づけられてきた。しかし現在は、企業においても、より長持ちするような衣料の開発を積極的に進めている。たとえそれが短期的に考えて、自社製品でお金を稼げないことを意味したとしても、である。また多くのブランドが、進歩のスピードを上げるべく、解決策の発見と知識の共有を目指して互いのコラボレーションを進め始めている。

 Mistra Future Fashionという野心的な研究プログラムにおいては、持続可能なファッションを目指して体系的な変化を実現する努力をしている。する。そこではデザイン、ユーザー、サプライチェーン、リサイクルという4つの分野に焦点が当てられている。また科学的な成果がファッション産業に行き渡り、H&M、Lindex、Eton、Nudie Jeansといったいくつかの重要な業界パートナーにおいて機能する仕組みを確立している。

長持ちする衣料

企業に持続可能性を統合しているという意味で、Flippa Kはスウェーデンのブランドの 中で第一線を走っている。同社は2014年以来、「持続可能性は成長への道に通ずる」というモットーを掲げ、衣料の寿命にまず焦点を当てて事業を展開してきた。2015年には、前の季節の衣料を貸し出すというFlippa Kリースという新たなコンセプトを開拓した。同社はこれによって新しいビジネスモデルと、より持続可能な消費の方法を模索することができるようになった。

 Houdini Sportswear は、衣料の寿命を延ばし、修繕を提供し、レンタルと中古販売を実施することで、製品の半数を循環型にしようと努力している。同社はまた自社の製品んを堆肥化する実験を行っている。


ヌードジーンズの修繕店
Photo: Tina Stafrén/imagebank.sweden.se

古着を修繕する

 ヨーテボリに拠点を置くNudie Jeansは厳格な行動規範を設けて、委託するサプライヤーを厳選し、また継続的な報告、行動計画、認証の提出を求めている。

 また、彼らは古くなったジーンズを修理してくれるので、顧客は新しいものを買う必要がない。これはファッションが常に更新され、流行に乗っているべきだという考えに挑戦するものである。

ファッション・カウンシル
 ファッション・カウンシルは、1979年よりスウェーデンのファッション産業の発展の強化・促進・支援し、ファッション産業をあらゆる分野で持続可能なものとし、国際的な地位を確保するよう努めている。
swedishfashioncouncil.se

著者 Philip Warkander & Sweden.se
掲載ページ:https://sweden.se/culture-traditions/making-fashion-sustainable/
翻訳時点の最終更新日 2020年8月20日
翻訳 大久保咲季、横渡礼奈
監修 明治大学国際日本学部教授 鈴木賢志
本稿は在日スウェーデン大使館から許諾をいただき、作成・公表しております。適宜修正することがあります。記載内容によって生じた損害については、一切責任を負いかねます旨、予めご了解ください。写真・図表は著作権上・技術上転載可能なもののみ転載し、他サイトへのリンクは転載しておりません。